抽象と具体とLEONとBMW

 こんにちわ。1号です。

今回のテーマは「抽象と具体の往復」です。

結論から言うと、抽象と具体の「往復」こそが人生のダイナミズムだと思ってます。

人生に多くのことを求める場合、必要なメソッドだと思います。

そんな話です。いったりきたりしながら話していきますー。


まず、本のご紹介。


やわらかい頭の作り方

具体的な事象を抽象化することと、それを再度復元して自らの具体的な課題に当てはめてみるという、「具体と抽象の往復」が、まさに人間の知的機能の重要な要素ということになります。


「地アタマが良い」「アタマが柔らかい」というのは、僕も永遠のテーマで、とかく、いろいろ考えたりします。

そんな中、ひとつ大事にしていること、それが抽象と具体の「往復」です。


もうひとつ、本のご紹介。


アイデアの接着剤

いったんクライアントの主観でとことん考えたら、ひょいと視点を変える。すなわち、今度は徹底した客観性をもった思考で、プロジェクトを眺めてみます。


こちらは主観と客観の「往復」ですね。


デザイナーも営業も、プライベートな会話に関しても、いったん相手の立場に立って具体的に考え、次はちょっと引いてみて抽象的に考えてみる。そしてまた、具体的に話してみる......。

そうすることで、関連する事象を沢山横断し、たとえ話も豊富に展開できる。

話の上手い人ってこんなイメージです。


 話を少し変えます。僕は昔、建築を学んでました。


建築の図面って1/10の図面、1/100の図面など、縮尺の様々な図面が存在します。

簡単に言うと、その建物を大きく捉えたざっくりした図面と、細かい詳細な図面があります。


ざっくりした全体の縮尺の図面では、細かい壁の中などは省略され、壁はひとつの太い線になってます。

これは大きい見方でいろいろ決めるときに使います。部屋と部屋の関係、外との関係などなど。



対して、細かい詳細な縮尺の図面では、ひとつの壁の中がどういう構造になってるか詳細に無数の線が書き込まれます。これは詳細にスポットを当てて収まりなどを話すときに使います。



例えば、建築デザイナーが、職人さんのいる作業現場で、ざっくりした図面を使い、

「この建物は周辺にこんな影響を与えます」とか言っても、みんな「?」となります。


逆に、職人さんが、建築デザイナーやクライアントが周辺環境への配慮などを話している会議で、詳細な図面をもってきて、「ここの壁の収まりが、現状だと厳しい」とかいってもみんな「?」となります。


これって極端な話ですが、日常あるゆるシーンで見受けられると思ってます。

(会社の会議とか、商談とか、プライベートでもなにか決めるときとか......)


こうなってくると、抽象的な大枠の話も抑えつつ、現場で具体的な話もできる人。

そう、「往復」できる人が非常に大切になります。


なるべく何かを話し合うときは、どれくらいの縮尺の話し合いなのかを意識して話すようにしています。

イメージ、カラオケボックスの音量調整のように、縮尺具合(抽象度)をうまくつまんで、チューニングして、話すようにしてます。


 先日ダイエットをPDCAでまわすというブログを書きました。

(そんな内容だったっけ? 詳しくは下記)

抽象と具体の往復を当てはめてみます。


「痩せたいなー」(抽象)

「体重を減らそう」(具体)


「体重減ったけど、なんかちがうなー、あっ、痩せたいというよりジャケットをカッコよく着たいんだ」(抽象)

「胸の筋肉をつけよう」(具体)


この、抽象と具体の往復運動をしないと、PDCAはそもそもの目標と行動にズレが生じて、どんどん手段の目的化が進み、空回りしていきます。


僕は感覚的に、仕事もプライベートも、抽象は「大人」っぽく、具体は「子供」っぽくを意識してます。


「大人」の自分でいろいろ考えて、方向付け、目標、KPIを決める。

「子供」の自分であれこれ考えずに、決まったことをガンガンやる。

「大人」の自分でやったことを検証、改善する。

「子供」の自分であれこれ考えずに、決まったことをガンガンやる。

(繰り返し)


大人過ぎても、いろいろ考えすぎて行動できず、

子供過ぎても、手段の目的化が進み、本当の目標を達成できません。



あっ、完全に余談ですが、大人と子供で僕が好きな映画があります。LEONです。

今更、LEONのことを語ることはしませんが、

大人だけど、子供なジャン・レノと、子供だけど、大人なナタリー・ポートマンの共同生活。

その不一致感満載の二人が次第に......的な映画です。この補完関係が素晴らしいなと思います。


 これからも抽象と具体の「往復」、大人と子供の自分を大事にしていきたいなーと。

前に、BMWの広告でこんなのがありました。


「人生に多くのことを求める人へ、BMW」

大人の哲学を持ち、but、子どものような純粋さを持つ人。 


ブランディング的にも素晴らしいと思います。

単純にこれ見て、かっこいーなーと。


以下、広告の続き。


主流なのに、心は反主流である人。 
スーツを着こなすが、ジーンズもはきこなす人。 
人生も語れるが、ジョークもうまい人。 
有意義も好きだが、無意味なことも好きな人。 
ワインにも詳しいが、恐竜にも詳しい人。 
常識は持っているが、決して縛られない人。 
ITには強いが、手紙は万年筆で書く人。
家庭を愛しているが、時には家庭を忘れられる人。
孤独も好きだが、社交も上手な人。 
常に冷静だが、時に情熱的になれる人。 
クラシックも聴くが、ロックも愛している人。 
自信はあっても、過信はしない人。 
美術館にも行くが、ジムにも行く人。 
協調もできるが、反論もできる人。 
夜更かしはするが、朝きちんと起きる人。 
守るものが多くても、冒険できる人。 
部下には優しいが、上司には厳しい人。
食べるのも好きだが、料理もできる人。 
上質にこだわるが、贅沢は好きじゃない人。 
自分の誕生日は忘れても、約束の時間は守る人。


すごいかっこいい。。。


これからも、人生に多くのことを求める人ととして、

抽象と具体の「往復」、大人と子供の自分を大事にしていきたいなーと思います。




ちなみに、

前述のLEONでは、すごく有名な最後のシーンを経て、エンディングになると、ギターの旋律ととも

に、とっても印象的な曲がかかります。スティングの「Shape of My Heart」という曲です。

映画を見た人は必ず覚えていると言ってもいいほど、印象的な曲です。


実はこの曲、後にNasというHIPHOPアーティストの楽曲でも使われます。

the messageという曲です。かっこいい。


もっというと、宇多田ヒカルの「Never Let Go」という曲にも使われてます。これもめちゃめちゃかっこいい。


これは音楽的にはサンプリングという手法なのですが、これって、ある楽曲のメロディや旋律を抽象的に捉えて、具体的な楽曲に落とし込んでいく創作方法だと思いませんかー?


音楽家が、過去の歴史上のメロディや旋律を抽象化し、自身の楽曲で具体化する。

歴史を超えた往復作業。

あー素敵。

エンタメおばちゃん(仮)

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